循環器内科のよくある病と症状

循環器内科のよくある病と症状

循環器の病気の主な症状には、動悸・息切れ、胸の痛み、歩行時の足の痛み、むくみ、夜間のいびきなど様々なものがあります。普段感じている何気ない症状が、重症の病気のサインであることもあるので、気軽に医師にご相談ください。

循環器の病気の治療は、高血圧や慢性の心不全のようにお薬の調節で対応できるものの他に、急性心筋梗塞など緊急で対応しなければ命に関わる病気もあります。当院では、循環器内科専門医師がこれまでの急性期病院での経験を活かし患者さまに対応し、適宜必要な検査を行うとともに、必要があれば連携している急性期病院へ搬送いたします。

下記のような症状があれば気軽にご相談ください。

狭心症・心筋梗塞(きょうしんしょう・しんきんこうそく)

狭心症

階段を登った際に、胸の締め付け感や息切れを感じることはありませんか?
心臓の血管{冠動脈(かんどうみゃく)}は3本あり、心臓全体の筋肉{心筋(しんきん)}に血液を送っています。
冠動脈の内腔にプラークと呼ばれるコレステロールの塊が沈着し、内腔の狭窄や閉塞させると、心筋に十分な血液を送ることができなくなります。

心臓に負荷がかかるような階段の登り降りや運動の際には、心筋が必要とする血流量が増加しますが、狭窄ないし閉塞のある血管では十分な血液量を送ることができず、胸の締め付け感や息切れを自覚します。 いつも駅の階段を上った時に(再現性)、休むと5分以内に改善する症状は、狭心症の可能性があります。
当院では、通常の12誘導心電図の他に、24時間ホルター心電図や心臓超音波検査で心臓の異常を検査することができます。

一方、急性心筋梗塞は、血管内にあるプラークが破れ(破綻)、そこにできた大量の血栓が、冠動脈を完全ないしほとんど閉塞させ、心筋にダメージを来たす病気です。
狭心症とは違い、休んでも良くならない持続性のある胸痛、胸部圧迫感が急性心筋梗塞の症状です。緊急の検査・治療が必要ですので、緊急手術の対応が可能な病院を受診してください。

弁膜症(べんまくしょう)

閉塞性動脈硬化症

心臓は握りこぶし大の大きさの筋肉の塊ですが、心臓の内部は4つの部屋に分かれており、左右の心房、心室があります。全身から心臓に返ってきた血液を再び全身に送り出すために、4つの部屋は弁という一方向性に開く扉で仕切られており、次の部屋に送り出された血液が逆流しないようになっています。しかし、加齢とともに弁の構造の変化や心筋梗塞などの心臓の状態に併い、弁の機能が十分ではなくなった状態を弁機能不全、弁膜症といいます。逆流や狭窄の程度が軽ければ症状は出ませんが、中等症以上になると労作時の息切れやむくみ、いわゆる心不全を合併します。

心不全(しんふぜん)

狭心症

心臓は全身に血液を送るポンプの作用をしています。 しかし、心筋梗塞で心筋にダメージがあったり、心臓の弁に逆流や狭窄があり血液の循環効率が悪い時に、心臓はなんとか血液を通常通り送り出そうとして、心臓は肥大していきます(代償する)。しかし、心臓が代償できるのにも限界があり、一定以上の仕事はできません。 その時に、ポンプの機能が破綻するため、全身に血液が送れなくなり、肺に血液が溜まったり(肺水腫)、足のむくみ、尿量が低下し体重の増加など様々な症状をきたします。症状を取るために利尿剤を使用したり、また、狭心症や弁膜症など心臓に器質的な疾患がある場合は手術を行う場合もあります。

最近では、心臓を保護することで、心不全による入院回数や生命予後を延長する薬の開発が進んでおり、患者さまそれぞれの状態に合わせた内服薬を調節していきます。

不整脈(ふせいみゃく)

閉塞性動脈硬化症

心臓にある4つの部屋は、血液を効率よく送り出せるように電気によって収縮するタイミングを調節されています。具体的には、右の心房にある洞結節(どうけっせつ)と呼ばれる部位が司令塔であり、電気信号を最初に送り出します。

電気は左右の心房を収縮させた後、房室結節(ぼうしつけっせつ)という電気信号を遅らせる部位を通り、左右の心室に到達し収縮させます。房室結節で電気が遅れることで心房と心室を交互に収縮させることができ、心臓は血液を貯める、送り出す、貯める、といったポンプのような動作を交互に行うことができます。

不整脈とは、この電気に乱れが生じることが原因で、動悸を自覚したり、失神や心不全を引き起こす病気であり、心室細動など重症の場合は命に関わることもあります。

ホルター心電図とは、体に装着できる心電図記録装置であり、日常生活で自覚する動悸や息切れ、胸の痛みがあったときにどのような不整脈が出ているかを検査することができます。当院では循環器医師が在籍しているため、すぐに結果をお伝えすることが可能です。

閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)

閉塞性動脈硬化症

歩くと足にだるさや痛みを感じ、休むと改善することはありませんか? その症状は、「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という閉塞性動脈硬化症の典型的な症状です。 足の血管はおへその高さで左右に分岐し、それぞれの足に血液を運んでいます。我々の足は安静時にくらべて運動時は約10倍もの血液量を必要としますが、その経路に狭窄や閉塞があると運動時に十分な血液量を送ることができず、足のだるさや痛みを自覚します。

当院では、足の血管の触診やABI(足関節上腕血圧比)、下肢動脈エコーで検査を行うことができます。 検査の結果に基づいて、内服治療を開始したり、カテーテル治療で血管を拡張する手術の必要性があれば、高度医療機関へご紹介いたします。

睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)

睡眠時無呼吸症候群

寝ている時に大きないびきや無呼吸をご家族に指摘されたことや、昼間の眠気や慢性疲労、熟睡感が得られない、集中力の低下などの症状はありませんか?
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無呼吸を繰り返すことが原因で、体内が低酸素血症、高二酸化炭素状態になり、体内が酸性状態(アシドーシス)になります。
アシドーシスは高血圧や糖尿病などの生活習慣病だけでなく、脳卒中や心筋梗塞、心不全などの脳心血管疾患を引き起こします。肥満の方に多く見られますが、日本人が下顎骨の構造上、気道が狭く、肥満でなくても発症することがわかっています。

当院では、簡易ポリソムノグラフィーを用いて、患者さまのご自宅で検査を行っています。
検査費用について、3割負担の方は2,700円、1割負担の方は900円のご負担になります。